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株式会社医科歯科技研 藤原芳夫社長の論文を読んで
第2回

第2回目の今回は、スキャナの種類と再現性についても書かれていたので説明したいと思います。

簡易的な方法として、モデルスキャナ2種(inEosX5〔デンツプライシロナ〕、A社)および口腔内スキャナ2種(B社、C社)の4種類のスキャナを用いて図6に開設する比較実験を試み、図7、8が実験結果、

図7aが試験体の写真とサイズ比較のシャープペンシル(直径0.5㎜)芯、図7b~eは図6c内の四角部拡大図になります。

​b
​c

図8は図7内の四角部を更に拡大したもので、その正方形の1辺は250㎛、図中の点線の交点が本来あるはずのエッジ位置を示しており、エッジロス量が視覚的にイメージ出来ます。目視でも、この4種類のスキャナではinEosX5が最もエッジロスが少ない事が解りますが、これはスキャン時のポイントクラウドだけでなく、ポリゴン数が多いためと思われ、図9は実験時のデータ量であり、inEosX5が他のデータ量の約3倍である事や、ソフトの改善でマージン付近のポイントクラウドを出来るだけ間引きせずポリゴンを密集させる様にしたようで、これによりエッジロスが少ない理由になったと書かれています。

株式会社医科歯科技研ではCADソフトに3ShapeのDental Designerを使用されているとの事で、このソフトを中心とした問題と解決法が書かれてありました。

 

 通法のDental Designerによるマージンの自動設定は、エッジロスが始まるラインの外側(図10a)が設定され、これは本来のマージンが失われた状態で、この状態でクラウンをデザインすると(図10b)マージン部にバリ状の突起物が出来てしまう為、本来のマージンライン(図11)を考慮せずデザインと造形された補綴装置は、セット時にフィニッシュラインに当たり、(図12)全体が浮き上がるが、フィニッシュラインと支台歯は接触しているため不適合に見えないかも知れない。しかし、その内側にはエッジロスによって間隙が生じている問題が生じている事になります。

 この様なマージン部にバリ状の突起物が残ってしまう原因はマージン設定の位置にあり、CADソフト上でスキャンデータ自体を修正できないのであれば、データをエッジロスが発生する手前で設定するしか解決方法はないため、CADソフト上で対応する際は、あえてショートマージンになる事を許容した上でマージンを設定し(図13a)、スキャンデータをそこまでしか使用しない選択するが、不足分をCADソフトのオフセット機能で捕捉する。

 この捕捉部分は図13bの赤ラインで示すマージンライン外側にある青色部分に当たる。図14のベージュラインはスキャンデータ部、①~④はユーザーが設定可能なオフセット機能を示している。

このCADソフトによるオフセット機能利用法は、①~④のうちの①オフセットを利用する。

エッジロスが発生していないところにマージンラインを設定する方法は各社CADソフトによって違いがあり、CADソフトで自動設定したマージンラインを一括で修正する機能がない様で、今のところ手動で修正するしか方法がないと論文で述べられているので本文では割愛し、次回はオフセット量の設定について書かれた内容を述べたいと思います。

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