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2022年の歯科業界をトレンドをご紹介!

 昨年はいかがなご状況でしたでしょうか?
 皮膚感覚ではございますが、新型コロナウイルス感染以前の2019年と変わらない状況の方々、または自費を含めた審美系の治療が増えお忙しかった方々も多かったのではないでしょうか。
 さて、寅年の2022年はどんな傾向になりますでしょうか。当社独自の目線で、国内外の歯科トレンドをご紹介させていただきます。
​トレンド① 自費診療が一旦落ち着き、保険診療が増加
 2020年は、得体のしれない新型コロナウイルスに対して、ただただ恐怖を覚え家に引きこもる状況が続いておりましたが、昨年はWithコロナ生活にも多少慣れ、マスク生活を逆手に取り、Z世代を中心に美容整形や審美歯科を利用される方が非常に増えたように感じられました。その背景として、リモートワークや外食を控えるなど、非常に我慢を強いられる生活ではありましたが、実は恩恵として貯金が増え、お金の使い道が大きく変わったことが理由に挙げられると思います。
​ しかしながら総理大臣も変わり、コロナとの共生、経済を止めない「経済再開」へと舵を取り、これまで我慢していた旅行や外食へと消費者の流れがもどってしまう可能性が予測され、このに伴い審美歯科は少し落ち着き、これまで通院を控えられていた高齢者の方々の入れ歯の作り替えなどの保険診療需要が回復しいてくるものと予測されます。
​トレンド② アライナー矯正はまだまだ躍進
 アメリカのインビザラインを中心に国内でもさまざまなブランドが誕生しておりますが、全てに共通することは、透明な樹脂製マウスピースの弾性力を利用して歯を動かすことですが、各ブランドごとに特性があり、どのブランドを選択したらいいのか悩ましいところではありますが、目立たず美しい歯並びを手に入れられるため、まだまだマスク生活が続く状況下での需要は伸び続けると予測されます。シンガポールにある企業では、これまでのアライナー矯正では難しかった症例にも対応できるオリジナルシステムを構築し、3Dプリンターでアライナー矯正を製作することで低価格提供を実現し、今では3億人の利用者がいるとの声も聞こえてきます。近い将来には、日本でも目にすることができるブランドかもしれません。
 また、今後の高齢化社会を見越し、国の医療費負担が増大する中な、保険制度の大幅改革で自己負担比率の見直しが生じた場合、インセンティブとして歯列矯正をしているか否かで負担額が違ってくるかもっとしれませんね。
トレンド③ 虫歯を見落とさないスーパー歯科医を目指して
 同じくシンガポールに拠点のある企業では、虫歯治療にAIを活用しようと技術開発を加速させており、2022年後半ないし2023年には、製品化を目指しているそうです。見えにくいガンをAIで特定する機器を開発していた、フェシャラキ氏はこれを歯科にも応用できるのではないかと考えて、X線画像の読み解き方法をAIに学習させ、歯科医の診断をサポートする。
​ このシステムを導入すると、難しい画像からでもAIが瞬時に虫歯を発見し、治療へ導き、さらに診察精度の向上と治療時間の有効活用ができることから、より収益UPが図れるスーパー歯科医へと進化できるツールとして、ソフト開発を推し進められています。
トレンド④ 3Dプリンター市場は2030年に向け、さらに成長 
 急激な超高齢化(厚労省試算によると、2030年の高齢化率は31.8%と国民の約3人に1人が65歳以上の高齢者となる見込み)を迎える日本の歯科技工界では、この10年間に大きな転換期を迎えることと予測されます。何故ならば、増え続ける技工物注文!と技工物を製作する技工士不足!この2つの問題を解消するために、CAD/CAMシステムや口腔内スキャナー、3Dプリンター、そしてAI技術など機械化が進んでいます。
 この波は間違いなく大きくなり、デジタルデンティストと匠の技を使いこなすアナログデンティストに二分化され、その多くはデジタル化を進める技工所へとシフトされることが予測されます。
 一説によると、2030年の世界における歯科用3Dプリンター市場は115億ドルとも言われており、2009年のASEAN協定では加盟国間での歯科医師相互承認枠組みが締結され、日本の歯科医師の方々がシンガポールを始めとした国々で活躍されています。是非、日本の高い技術力を持つ技工士の方々も5G、VRなどの先端技術を駆使され、世界中でますますご活躍されることを期待しております!
3Dプリンターを使用している歯科医
トレンド⑤ 2022年4月 歯科診療報酬改定について
 国の進める健康寿命の延伸に向けて、ご存じのように歯科医療も重要なポジションを担っており、ますます歯周病やう蝕の管理に注力する傾向が、1月26日に行われた中医協総会(中央社会保険医療協議会)で発表された、2022年度診療報酬改定の個別改定項目資料からも読み取ることができます。
 

今回発表された内容は、昨年発表された2022年度診療報酬改定の基本方針4つに基づいたもので、その概要ついて下記にご紹介いたします。

 『改定に当たっての基本認識』

 ①新興感染症等にも対応できる医療提供体制の構築など医療を取り巻く課題への対応 

 ②健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現

 ③患者・国民に身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現

 ④社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和 社会保障の機能強化と

  持続可能性の確保を通じて、安心な暮らしを実現し、成長と分配の好循環の創出に貢献

  するという視点も重要。

 上記の抜粋内容からも、「歯科を含めた地域医療の充実を図り、ライフステージに応じた包括的医療体制で持続的な健康維持を推進することで、皆保険制度を始めとした社会制度の安定維持を目指す」との国の方針が示されています。

 また、歯科技術の見直しとしては、メタルコア加算の廃止やCAD/CAMインレー、チタン及びチタン合金による前歯部レジン前装金属冠なども議題にあがり意見交換がされているそうです。

​ まだまだ不確定要素の多い情報ではございますが、今後の歯科医療の在り方について、大きく影響する内容と思われますので、今後も注意深く情報を集めたいと思います。

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